PROJECT
プロジェクト概要
1957年、フィンランドに建築されたアルヴァ・アアルトによる「Vuoksennika教会」は、近代建築の中でも最も重要な建造物と言われ、「スリークロス教会」と名付けられました。
それが昨今の気候変動の中で、木部の腐朽に始まり、今存続の危機に。現在では立ち入ることすらできなくなってしまいました。
なにより「教会」として、人々が集まることができなくなること。これは建築物そのものに加えて、「心のサステナブル」が苦境に面していると言えます。
現地の方々は、約9年間この問題解決のために行動を起こしていますが、それだけではこの危機を乗り越えることができない状況にあります。
日本の建築家の皆さん、私たちと一緒にアルヴァ・アアルトのスリークロス教会の復興・再建にご賛同いただけないでしょうか。
建築家/彦根アンドレアと
スリークロス教会の出会い
2018年10月、彦根アンドレアは初めてこの教会に出会いました。フィンランドに到着すると、アアルトがデザインしたなんとも心地の良い家具や雑貨が町中にあり、アアルトのデザインは日常に浸透していると感じました。教会までの道のりはとても長く、言語の壁もありましたが「建築家人生をかけても間違いなく実物を見にいく価値があった。」とアンドレアは回想します。



背景・課題
2007年に最初の修繕工事を行いましたが、根本的な湿気の問題を解決することができませんでした。それから調査が重ねられ、問題解決を行うための修繕計画書が作成されましたが、計画書を遂行する為の費用が足りず、計画は実行されていません。応急処置の修繕工事は続けているものの、気候変動による腐敗はさらにスピードを増しています。
建設当時、白く美しかった教会は劣化が進み、建物全体に黒ずみが見られます。視覚的な問題もさることながら、湿気と躯体に染み込んでしまった水分によって、被害が出るという理由で一般の人の立ち入りが禁止になってしまいました。イマトラに利用できる教会がなくなるということは、新しい教会を建てなければいけない可能性があり、最悪の場合、スリークロス教会はたて壊わされてしまうかもしれません。
劣化の原因は単なる老朽化ではなく、当初アアルトも想像し得なかったような気候変動です。北半球に、地球の歴史上かつてなかったほどの湿度と気温の高い冬がやってきたこと、そのため冬場に早いサイクルで繰り返され、雪や氷の氷結と融解に建物が晒され続けているのです。問題を解決するためには、水分が染み込んでしまった壁、屋根の修復、融解サイクルに耐えるための換気システムを新しくする必要があります。
この教会の存続意義とは
世界遺産登録される可能性も
この教会は、教会でありながらも、宗教に囚われず誰でも立ち入ることのできる地域社会に根付いた建築であり、アアルトはそうある姿を念頭に置いてデザインしたと言われています。
それにも関わらず、一般の方が入ることすらできなくなってしまうほど、腐敗は進んでしまいました。 さらにスリークロス教会は、フィンランドの近代建築の中で重要な建築物と言われ、UNESCOの世界遺産候補になっています。「世界の遺産になる」とは、その地域社会に愛され、後世に残していきたいと願われたということです。 建築家として、これほどまで名誉なことがあるでしょうか。そして現代の建築を想像する私たちは、自らがデザインした建物が、世界遺産になることを想像できるでしょうか。おそらく、アアルト本人も、「世界遺産になる」ことを意識したり、目的としてデザインしたわけではないでしょう。 だからこそ、今を生きる次世代の私たちが、彼が残した建物を守り、愛し、後世に残していきたいと強く心から願い、行動を起こしていかなければならないのだと思っています。



何をするのか、
どうやるのか。
「なぜ私がこのプロジェクトを立ち上げたのか。それは”出会い”にあります。日本でも寄付金を必要としている方々が沢山いらっしゃいます。世界に目を向ければ、もっと多くの問題があります。この教会に出会い、感動し、そして現実をみて悲しみました。こんなにも素敵な現代建築物が腐敗していくこと、後世に残せない可能性があることを知ってしまった以上、目を背けることができませんでした。
20年後、私たち建築家が愛情を持って設計している建物や、現在する素晴らしい建築すべてに何が起こるか…その不安が頭の中をグルグルと回っています。
全ての問題を私一人では解決できなくても、このサイトを訪れてくださったあなたが、もしまだ心打たれる社会課題に出会っていなかったら、力を貸していただけないでしょうか。これを読み、共感をしてくださったとしたら、あなたが感じた「何か」に耳を傾けてみてください。
たまたま出会った物語(社会課題)だとしても、そうして一人一人がその出会いの尊さに感動し、共感し、行動をすることが社会をより良くしていくと信じています。私自身もこのプロジェクト以外で寄付をすることもありますし、私も助けになりたいと思っています。」
今後の展望と
建築家/彦根アンドレアの想い
「なぜ私がこのプロジェクトを立ち上げたのか。それは”出会い”にあります。この教会に出会い、感動し、そして現実をみて悲しみました。こんなにも素敵な現代建築物が腐敗していくこと、後世に残せない可能性があることを知ってしまった以上、目を背けることができませんでした。
20年後、私たち建築家が愛情を持って設計している建物や、現在する素晴らしい建築すべてに何が起こるか…その不安が頭の中をグルグルと回っています。
全ての問題を私一人では解決できなくても、このサイトを訪れてくださったあなたが、もしまだ心打たれる社会課題に出会っていなかったら、力を貸していただけないでしょうか。これを読み、共感をしてくださったとしたら、あなたが感じた「何か」に耳を傾けてみてください。
日本でも寄付金を必要としている方々が沢山いらっしゃいます。世界に目を向ければ、もっと多くの問題があります。ですが、このプロジェクトのように、たまたま出会った物語(社会課題)だとしても、そうして一人一人がその出会いの尊さに感動し、共感し、行動をすることが社会をより良くしていくと信じています。私自身もこのプロジェクト以外で寄付をすることもありますし、私も助けになりたいと思っています。」


次の世代の建築家や
若者たちに伝えたいこと
私たちは100年後に生まれてくる子どもたちにも、この教会を見て欲しい、この物語を受け継いで欲しいと心から思っています。
次世代の人々は、より自然環境的に厳しい時代を生きていかなければなりません。その中で、いかに楽しく、こだわりを持ち、イノベイティブであり続けながら自由に生きていける世の中を作るのか。私たちは今何を残すことができるのでしょうか。
同時に、日本では地震や災害が多く、自分の原風景になるような建物が壊されてしまうことも少なくありません。ですが、その痛みはいつも大きなものであったはずです。建築を”残す”ことで救われる心があることを知ってもらいたいと思っています。

環境問題について
共に向き合いましょう
SDGs、サステナブルという言葉を、耳にする機会が増えてきましたが、皆さんは何か取り組んでいるでしょうか。知ってはいるけれど、特に個人的には何もやっていない、という方はこれからどんな物語(社会課題)に耳を傾けるでしょうか。もしこの取り組みや私たちの想いに、少しでも共感してくださったら、一緒にアクションを起こしていただけないでしょうか。
このプロジェクトは実際に、SDGsのNo.11-4(世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。)にあたります。胸を張って、環境問題に向き合っていると共に声をあげませんか?
社会は
自分たちの力で
変えられる
最後までお読みいただきありがとうございます。私たちは、この教会を守るためのアクションを起こし、アアルトという社会活動家を敬い、人類の叡智に貢献し、ここからまた未来を創造していきたいと思っています。そのために、このプロジェクトをより多くの方に知っていただき、寄付金を届けたいです。
そして、次の世代に「社会は自分たちの力で変えられる」ということを証明していきたいと思っています。
そのためには、皆さんの力が必要です。
どうぞご賛同のほど心よりよろしくお願い申し上げます。
