アンドレアと
スリークロス協会の出会い

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スリークロス教会との出会い
そして1stアクションへ

なんて遠いのでしょう。

私が今回の旅で絶対に見たいと思っていたアルヴァ・アールトの設計によるスリークロス教会は、あまりにも遠く人里離れたところに建っていました。

ロシアとの国境近く、ヘルシンキから特急で3時間ほどのイマトラという街からさらに車で移動しなくてはなりません。でも、その訪問は私の休暇の1日を費やすだけの価値がありました。

2017年10月、初めてのフィンランドへの旅で、私は何度もツアーの依頼を試みた結果、通訳とガイドの付いたツアーに参加することができました。

やっとたどり着いた教会は、正直なところ少しボロボロに見えました。霧雨の降る中、通訳を待っている間、建設作業員のような人が行き過ぎましたが、他には何もありませんでした。辺りは静まりかえっていました。

やがて近くの自治体に住む通訳の女性が到着すると、通常はフィンランド語からロシア語に翻訳するのが専門だという彼女は、私のために親切にも英語の通訳を試すことを申し出てくれました。

彼女は私に教会の牧師を紹介しました。驚いたことに、さっきの作業服を着た人が牧師さんだったのです!

ツアーが始まり、牧師はアールトの教会について語りはじめました。

「建物に使われている素材にはヒエラルキーがあり、神聖なものは大理石で、世俗的なものは木でつくられています。教会は礼拝堂としてだけでなく、地域の施設として多目的に使用できるようになっていて、時にはバスケットボール場として使われることもあるのですよ。アールトは、協会の中に3つのエリアを作り、それぞれのエリアが互いに干渉するのを避けるために魅力的な可動壁を構築しました。」

是非壁が動くのを見てみたい!

と思いましたが、残念ながら、この日は地域で頻繁に起きる停電が発生して、厚さ40センチもあるという可動壁がどのように閉じるか、見ることができませんでしたが、「その代わりに」と牧師さんは機械室を見せてくれました。(優しいですよね)

造船の技術を使ったと思われる建造物。

教会の中でバスケットボール。

そして作業服を着ている神父さん。

こんな協会出会ったことありますか?とても面白いではないですか!

さて、ここからが旅の本題です

私と牧師さんは、この教会への構造的損傷の問題について話し始めました。

気候変動によって引き起こされた暖冬は、協会の屋根の雨漏りや窓ガラスのひび割れ、壁や断熱材内の結露をもたらしています。

小さな修理でそれらを修復することはできません。

全体的な修繕のための資金が必要ですが、修繕計画はすでに出来上がっています。毎年、多くの資金提供のお願いを試みていますが、願いは虚しく、アアルト財団の資金は別の助けを必要としている建造物の修繕のために送られてしまい、この境界には届かないのです。

それでも、この教会の牧師たちはまだ希望を持って戦い続けています。

(やっぱりここは遠すぎて、来る人がいないのでは……)

一瞬、そんな思いがよぎります。

同時に、「世界中には多くのアアルトファンがいて、この課題を知ってもらえれば資金集めができるのではないか」と…

考えを巡らすうちにツアーは続いていきます。

牧師さんの案内で私は死者への最後の別れが行われる地下室に向かいました。棺が置かれている床は大理石でできています。他はすべてレンガ又は木です。わかりやすい素材の使い方によって死者への尊厳が伝わってきます。

教区の部屋に進むと、アアルトがデザインした有名な椅子や机のプロトタイプ、牧師の椅子が置かれています。それは博物館にあってもいいような貴重な家具たちです。

ここで、通訳の女性は子供たちの元へ戻らなければならず、私は1人で教会を歩き回ることにしました。

美しいラインを描く壁からは石膏が剥がれ落ち、あちらこちらにカビが…。

悲しい…胸がぎゅっとなりました。

アアルトの最高の作品の一つであり、彼の傑作。これは多くの建築家に見てほしい教会です。

出発する前に、建設作業員である牧師さんに挨拶に行きました。彼は私を教区の家に招待してくれました。この家もまたアアルト作品で、人間が暮らすことをとてもよく意識してデザインされた心地の良い家です。

協会も住宅どちらも、アアルトの素晴らしい作品なのです。

ツアーを終えた後も、思いを馳せながら協会でくつろいでいる私を見て、牧師さんと司祭はふふっ微笑みました。

彼らはフィンランド語しか話せず、私はフィンランド語を話せません。でも、私は気候変動によって破壊されている美しい重要な建物を案内してもらい、彼らの心配ごとも教会を愛する気持ちも、痛いほどにわかりました。

普段、私はあまり建築を見に行くことはありません。自然や通常の観光名所に行くことを好みます。そもそも私は元々アアルトのファンではありませんでした。

しかし今回、アールトの建物を一つ一つ訪問しながらフィンランドの自然を巡るこの素晴らしい旅で、私はアアルトがどんどん好きになっていく自分に気づきました。

私は彼の建築がとても人間的で、非常に特異で、時にはちょっとわがままであることに気づきました。その発見は私を楽しく、いい気持ちにさせてくれました。

オーロラを見るためにロヴァニエミに行った時、私はもちろん空の光の遊びに酔いしれましたが、アールトの図書館の光にも同じように感動しました。

私のセミナーでは、ときどき持続可能性について話します。エネルギー効率の高い建物、100年持つ建物など。しかし、建築も気候変動の影響を受けていることに実際を実際に目の当たりにしたのは初めてでした。

建設時には確かに正しかったはずの詳細と施工技術で建てられたものが、現在、さまざまな気候条件のために欠陥のある建築物となっています。これは私にとって最愛の、そして、とても慎重に計画された建物が崩壊するという事実につながります。20年後、今建てている素晴らしい建築すべてに何が起こるか……その不安がいつも私の頭の中をグルグルと回っています。

旅のあと、どうしても協会のことが気になり続けた私は、この教会への資金提供者をすでに見つけているかどうかについて「AALTO財団」に問い合わせた後、2018年のエネルギーツアーの一環として、資金提供プロジェクトについて知るために、誰か私とヘルシンキで会ってくれるかどうかを尋ねました。

2018年10月、私は教会の修理費について話し合うため、「AALTO財団」のディレクターであるJonasさん 、建築家であり計画と改修を担当するNiinaさん、そしてこの教会のディレクターであるPasiさんに会うことができました。

やはり、協会の修復には最低でも目標額が1億円を超えることは明らかでした。(すでにフィンランドの修繕建築家Niinaさんによって費用算出がされています。)それ以下の金額で修復をした場合、付け焼き刃にしかならず、すぐに劣化が進行してしまいます。

1億円は大変な金額であることはわかっていますが、例えば1000人の人が10万円ずつ寄付してくださったら可能になるでしょう。

白い壁のこの神様のための家は、支援と慰めを求めているIMATORANの街のすべての人にとって、コミュニティの重要な部分を形成しています。

おそらく、将来、アアルトの建築を巡るツアーのガイドや通訳者は、教会に贈呈された私たちの名前を見つけて、日本から届けられた私たちの団結の心によってこの教会が再び新しい光の中で輝くことになったいきさつを、訪れた人々に伝えてくれることでしょう。

 

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